テーブルフォトは背景紙でこんなに変わる! 撮影テクニック
今日ご紹介するのは、テーブルフォトを撮影するときの背景の雰囲気づくりで私が使用している、フォトスタイリングペーパーの「Ambiance Paper」を使った撮影テクニック。
1枚500円ほどする紙なのですが…大量に買ってしまいました。
「1枚500円の紙なんて、お金を使いすぎでは…?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、テーブルフォト撮影が好きな私にとっては買ってよかったと思う商品で、テーブルフォトの雰囲気づくりに大いに活躍! 日々のテーブルフォトにちょっと変化をつけてみたい方、お出かけできなくてもお部屋で写真を撮りたい方におススメです。
● 撮影に使用した機材
カメラ
・OLYMPUS OM-D EM10 Mark III
レンズ
・Olympus M.25mm
・Olympus M.45mm
● 撮影に使用した道具
Ambiance Paper各種
目次
テーブルフォトを考えつくした紙
Ambiance Paperに出会う前までは、色画用紙のような、単に色のついた紙でも購入したらいいんじゃないかと思っていたのですが、いざテーブルフォトを撮ってみると、意外と小さなストレスになるポイントが出てくるんです。例えば反射。紙の材質にもよりますが、テーブルフォトを撮るときは光があるときれいに見えやすいだけに、光のある場所で撮影しようとすると、角度によって紙の表面に光が反射してしまいます。
その点、Ambiance Paperは、表面がマットなコーティングになっているので、光を反射しにくいのです。それから、表面のさらさらコーティングのおかげで、多少の水気くらいなら、しみこまないのでさっとふき取ることができます。また、色の発色も良く、実際撮影してみるとその良さが出てきます。
単なる色のついた紙ではなく、テーブルフォトのために考えられた紙なんだなと感じています。
では、まずはどんな感じの色があるのか、私のコレクションでご紹介します。
【チアフルカラーセット】001 コーラルピンク・002 クールライラック・003 カームミントグリーン
あまりこういった色味の用紙を普通に探しても見つけられないのもあり、きれいで目を奪われて選んだセット。チアフルカラーという名前のように、確かに元気で明るい気分になる色です。
【ティータイムカラーセット】 010 クリームエクリュ・011 ミルクココア・012 シェルピンク
セットの名前がかわいすぎませんか?購買意欲をそそられる危ない名づけ。しかし、それ以上に、このナチュラルでアンニュイな色合いが、いろんな場面で汎用性があり、選んでよかったなと思っています。
【ジェラートカラーセット】013 ピスタチオクリーム・014 フローズンブルー・015 シュガリーパープル
ジェラートが食べたくなるので、やっぱりこのネーミングもやめてくださいな~、の夏のシーズンに発売したセット。ライトトーンで主張しすぎないけれどさわやかな色合いのセットです。以上が私が今のところポチってしまった種類です。(今のところ……)
ちなみに、私はいろいろほしくなってセットになったものを買いましたが、単品購入も可能ですし、セットもいろいろあります。
サイズはA4、A3、A2があります。
上から垂直に見る俯瞰の構図で、アクセサリーなど手のひらに収まるサイズの小物を撮影するようだったら、A4サイズで十分かと思います。ただ、もう少し大きいサイズや、平面・立体ともに空間も有効に使いたい場合、最低でもA3がいいかなと思います。私は今のところA3サイズのユーザーですが、A2くらいあったら便利だな~と思う場面も実は多々あります。
ウェブサイトでの説明によると、A3サイズ・A4サイズの紙の厚みは135kg (約0.19mm)、A2サイズは165kg(約0.24mm)。感覚としては、雑誌の表紙のページより気持ち薄いかな、くらいの厚みで、しなやかです。
しなやかな分、折り目がつきやすい性質で、折り目がついたら目立ちやすいので、扱うときはなるべく付属の厚紙と使うといいです。上の写真では、折り目をつけていないので、これくらい曲げても大丈夫です。ちなみに、紙の裏面は白です。(裏面にも違う色がついてたらいいなぁ~と思ってみたり。)
それでは、実際にAmbiance Paperを使ったら、テーブルフォトがどんな風になるかご紹介します。
背景の色で雰囲気がぐっと変わる
まるで紙コレクターのようにポチった私は、背景に選べる色の選択肢がいくつかあるので、どれにしようかな~と迷いながら決めています。この選ぶ作業が結構楽しいのと、背景の色だけで写真の雰囲気が変わる不思議さを実感する場面でもあります。
ここで、背景の色を変えると、写真の雰囲気がどんなふうに変わるのかを、皆さんにも体験していただこうと思って、同じ被写体とスタイリングで、背景の色を3パターン用意しました。みなさんはどれが好きか、どんな雰囲気に思うか、良かったら一緒に考えてみてください!
フルーツティーの実を被写体に、「014 フローズンブルー」を背景にしてみました。きれいで爽やかさを感じる雰囲気ではありますが、どこかちょっと被写体と背景がマッチしていないような、浮いた感じがあるように私は思いました。
こちらは「012 シェルピンク」です。明るさと初々しさのような、若々しさのような雰囲気があるように私は感じました。木のプレートと色味が溶け込むようにあっていて、ナチュラルさも出ています。なかなかいいマッチかもしれません。あともうひとパターン見てみましょう。
私のイメージとしては、こちらが一番しっくりくる雰囲気です。この被写体を選んだ時に、「しっとり・シック系」、「大人のイメージ」、「秋冬っぽい」みたいなキーワードが頭に浮かんでいて、なんとなくそれに合う色は「011 ミルクココア」だろうなぁと想像していたのですが、実際に背景を当てはめてみて、「うん、今の気分はこれだ!」となりました。
好みにもよると思うので、どれがいいという決まりはありませんが、背景色の違いだけで、ずいぶん写真の雰囲気が変わると思いませんでしたか?逆に言うと、背景色を上手く使うと、自分がイメージしている雰囲気を相手に感じさせることができると思うのです。
それから、今この記事を書いている時点では寒い冬の季節ということもあるのか、今の私は3番目の雰囲気を欲していたのですが、蒸し暑い夏にこの写真を撮っていたら、ちょっとでも爽やかな色が良い、と思って、1番目を選んでいるかもしれません。これは私の経験談ですが、季節が変わると、背景に選びたくなる色が変わるんです!色にも旬があるんでしょうかね?そんな風に、色で手軽に季節感を取り入れることもできます。
複数枚組み合わせるパターン
さて、Ambiance Paperを一枚背景に使うだけで雰囲気出しに役立つことがお判りいただけたと思います。これが、複数枚持っていたら、組み合わせて使うパターンで、さらに表現の幅が広がります。組み合わせる色や、どこに色の変わり目を持ってくるかによっても、何通りにも。
こちらの作例は、夏の果物さくらんぼを夏のみずみずしいイメージに合わせて、夏に販売された夏色カラー「013 ピスタチオクリーム」と「014 フローズンブルー」の2色を組み合わせました。
さくらんぼの赤い色味を邪魔しない淡い色合いの背景になってくれた気がします。
ちなみに、ちょっとした水気はふきとれば大丈夫なAmbiance Paper、こういった食品系の被写体を撮るときに便利です。
こちらのケーキフォトは、お皿の色を考えたら「002 クールライラック」が合いそうだな、というのが浮かびました。
でも、それだけだとちょっと単調な感じがするし、いちごの赤と少し色合いがぶつかるかなぁ~なんて考えていたところ、そのぶつかりを「001 コーラルピンク」が和らげてくれそうだ!と、組み合わせ使いするに至りました。
さらに、コーラルピンクの背景に合うリボンでスペースを埋めつつ動きと光沢を少し出して……という感じです。
Ambiance Paperを使うようになってから、色の組み合わせやどういった色を画面に入れるか、などを考える練習にもなった気がします!
組み合わせ使いの可能性を考えるなら、どの色を買おうか迷った時には、同系色や同じような彩度・明度の色を選ぶのがオーソドックスに組み合わせしやすいかな、と思います。
横から撮影するパターン
先ほどまでご紹介したパターンは、俯瞰で上から被写体を撮ったパターンでしたが、被写体に対して垂直になるくらい横から撮影すると、奥行き部分の背景が画面に映りますよね。その時に気になるのが背景問題。背景に見せる予定のなかった散らかった部屋の残像が映るだけで、せっかく作り上げたテーブルフォトの雰囲気が……
そんなとき使ってみたい裏技は、こちら↓の写真をご覧ください。これは、ビハインド・ザ・シーン、写真には映らない、横からみた図です。
Ambiance Paperのしなやかさを利用して、紙を半分は平置き、半分はつるすような形にセッティングします。何かクリップで止めてつるせるようなものがあれば便利かと思いますが、お見せした写真の例の箱のように、紙が寄りかかれるようなもの(ある程度高さと動かないように重さのあるもの)があれば対応可です。
さて、ビハインド・ザ・シーンから抜け出して、本来映したかった画面にお戻りください。こちら↓です。
どうでしょうか?画面で見える限り、奥まで同じ背景色になっていますよね。こうすることで、背景に統一感もありますし、ごちゃついた部屋の様子で、雰囲気台無しになることもなし!
なお、Ambiance Paperの大きさはここではA3サイズを使っていますが、この方法を使うときは、被写体の大きさが紙の半分のスペースに収まるくらいの大きさのものがおススメです。被写体が大きかったり、また撮影する範囲が広くなると、紙で隠しきれていない背景が出てしまうので、その場合は、A3サイズよりはさらに大きいA2があったらいいなと思います。または、ここでも複数枚つなげる(同じ色・違う色)というやり方もありだと思います。
あ~!そんなことを言っていると、どんどん違うサイズや違う色のAmbiance Paperが欲しくなる……
テーブルフォトにいろどりを
テーブルフォトは、どんなものをどんな場所にどのように置くかが難しくて、そういったことにセンスがない私は、ただただステキなテーブルフォトを見とれているだけでした。
センスのなさはいまだに変わらずですが、背景紙をテーブルフォトに取り入れるだけで、それほど工夫を凝らしていなくてもきれいめでステキな写真になるし、小物などの被写体の見栄えもよくなると感じています!
被写体に合うような色や、表現したい雰囲気を醸し出すサポートをする色を選ぶという作業も、迷いながらもなかなか楽しいものです。
おうちで過ごす時間が増えている今だからこそ、テーブルフォトたくさん撮って、背景紙を活用してみてはいかがでしょうか?
Ambiance Paper | https://ambiancep.theshop.jp/
編集/カメラガールズEditors りさっぴ