【長野】電車が教室に? 『安曇野ちひろ公園』 で昔にトリップ
子どもを題材にした水彩画やパステル画で知られている『いわさきちひろ』
小さい頃から絵を描くことが好きだったちひろは、新聞記者の職を捨て、絵の世界で生きることを決めたそう。彼女の美術館は東京・練馬区と、ここ安曇野にあります。信州出身の両親を持つちひろにとって、安曇野は幼いころから親しんだ場所だそうです。特にここ松川村は戦後、両親が開拓農民として暮らした土地であり、多くのスケッチも残しているとか。
美術館内は一部エリアを除き写真が撮れませんでしたが、館内はバリアフリーが徹底されており、車椅子やベビーカーでも安心して利用することができます。
美術館でちひろの絵を堪能したあと、隣接している『安曇野ちひろ公園』へ向かいました。
● 今回持って行った機材
カメラ
・Canon 6D
● アクセス方法
電車:JR大糸線 信濃松川駅 タクシー5分・レンタサイクル15分・徒歩30分
JR信濃大町駅・穂高駅より周遊バス
車:長野自動車道 安曇野IC(旧豊科IC)出口より約30分
● 費用
交通費、飲食代、(安曇野ちひろ美術館 入館料)
トットちゃんが通っていた『トモエ学園』の世界を再現した「電車の学校」
『窓ぎわのトットちゃん』という本を読んだことはありますか? 本の主人公の『トットちゃん』は、黒柳徹子さんのことなんですよ。この本はいわさきちひろの没後に製作されたのですが、徹子さんの希望で、遺されたちひろの絵のなかから絵が使われたそう。そのご縁で、こちらに『トモエ学園』が再現されたようです。(徹子さんはちひろ美術館の館長もされています)
ちなみに使われている車両は長野電鉄で役目を終えたあと、しばらく小布施駅で展示されていましたが、その後は旧・信濃川田駅に大切に保管されていたという、大変貴重な車両です。
広場にはトモエ学園で学校として使われていた「電車の教室」をモチーフとした『モハとデハニ』があります。『デハニ』は電車の教室を再現、『モハ』はトットちゃんの物語や絵本などを閲覧できる図書室になっています。ちなみに「モ」はモーターのある車両のこと(私鉄では「デ」という場合も)。一番いい等級の列車から イ、ロ、ハ…となり「ハ」は三等車(普通車)で「ニ」は荷物車となります。
古めかしい木の机は実は古いものではなく、職人さんと長野県池田工業高校の生徒さんと先生たちが作ったそうです!トットちゃんの本の中では、確か机は天板が上にぱたっと開くタイプで「パタパタ」開きすぎてトットちゃんが先生に叱られていたような……。
机の上には絵筆や勉強道具が残されていて、まるで休み時間に校庭に遊びに行ってしまった空っぽの教室のような空気が見えますね。
こちらは図書室の車両のシートに、ポツンと座っていたぬいぐるみの人形。絵になったのでパチリ。
安曇野ちひろ美術館を囲む、広い公園でのんびり散策
公園から再びちひろ美術館の方へ戻り、園内を流れる小川沿いに散歩。流れの少ない小川なのに、水は澄んでいてとても綺麗。訪れたのは夏でしたが、水の中につくし(傘が開ききってるとはいえ)を発見して驚きました。
流れの少ない、とても浅い小川なので、小さいお子さんが遊ぶのにも安全で良さそうです。とはいえ、目は離さないでくださいね。
のんびりと公園の散策を楽しんでいたら、急な雨に降られ慌ててちひろ美術館の軒下で雨宿り。
雨上がり、ふと空に目をやると大きな虹がかかっていました。見た目の通りに写真に写し取るのは、なかなか難しいですね。
今回はトモエ学園の電車の学校のあるエリアを歩きましたが、安曇野ちひろ公園は美術館を囲むように広がっており、行けなかった方にも『パツォウスカーの庭』や子どもが遊べそうな池もあったりして、まだまだ楽しめそうです。
安曇野の美しい風景と、いわさきちひろの優しい水彩画はとても似合います。ぜひ、この風景と一緒に美術館も訪れてみてください。子供のような優しい気持ちに触れられると思いますよ。
安曇野ちひろ公園
〒399-8501 長野県北安曇郡松川村3358-97
TEL:0261-85-8822
※トットちゃん広場
会館期間:3月1日~11月30日
定休日:水曜日(祝休日・7月20日~8月31日除く)年末年始(12月29日~1月3日)
会館時間:3月~11月 9:00~17:00 12月~2月 10:00~16:00
http://chihiro-park.org/
安曇野ちひろ美術館
〒399-8501 長野県北安曇郡松川村西原3358-24
TEL:0261-62-0772
入館料:大人900円、高校生以下無料
会館期間:3月1日~11月30日
定休日:毎週水曜日(祝休日開館、翌平日休館)
会館時間:10:00~17:00(3月は16:00閉館)
https://chihiro.jp/azumino/
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