みんなが知らない岡山!「大自然と絶景づくし」の新見市ってどんなところ?
岡山の旅先と聞いてまず思い浮かぶのは倉敷市にある「倉敷美観地区」でしょうか?
そんな方にお伝えしたい! 岡山の素敵な旅先は、そこだけじゃないんです…!
今回ご紹介するのは、県の北西部にある新見市。このエリア内には石灰岩地帯が広がっており、その関係でなんと大小200もの鍾乳洞があるそう。他にも壮大な自然や絶景、この地域ならではの美食グルメなど、たくさんの観光スポットがあり見所が豊富。
今回はそんな新見市へ、まだあまり知られていない「究極の絶景」を撮影するために、2泊3日の旅をしてきました。実際に訪れて見つけた、おすすめスポットをご紹介します!
目次
ライトアップが幻想的な鍾乳洞『満奇洞』
まず訪れたのは『満奇洞(まきどう)』という名前の鍾乳洞。
染み出してくる地下水が石灰石を少しずつ溶かして作られたこの風景は、まさに大自然が作るアート作品。その不思議な形をLEDが美しく照らし出し、鍾乳洞の中はまるで異空間に迷い込んだような気分…!
ひとつとして同じ形がないので、歩くたびに絶景に出会うことができます。
こちらは大きな池上にかかる『竜宮橋』。赤い橋とライトアップがなんとも幻想的ですね。染み出した地下水で足元が濡れているので、靴は滑りにくいものがオススメです。
ちなみに、この場所が槇(まき)という地名ということ、そして歌人・与謝野鉄幹・晶子夫妻が「奇に満ちた洞」と絶賛したことから、『満奇洞(まきどう)』と呼ばれるようになったそうです。与謝野鉄幹・晶子夫妻もこの場所を訪れていたとは! 昔から有名な絶景スポットだったんですね。
鍾乳洞を出た後は、近くのお店で岡山の名物『元祖バクダンキャンディー』を購入しました。ポコポコとしたフォルムが可愛い! ブドウやイチゴなど全8種類のフレーバーがありました。
ちなみに不思議なネーミングですが、製造過程でよく破裂する(爆発する)からついたそうですよ。
満奇洞をリアルに体感できるVRもWEBサイトで公開中。洞内を照らすLED照明の色を自由に切り替えたり、自分が見たいスポットを解説付きでぐるっと見渡せたり、まるで現地で観光しているかのような疑似体験ができます。
URL:https://secure.panoramic.graphics/publicvr/makidou/
● information
満奇洞
岡山県新見市豊永赤馬2276-2
https://www.city.niimi.okayama.jp/kanko/spot/spot_detail/index/3.html
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満奇洞 観光 ドライブイン
岡山県新見市豊永赤馬2377-1
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なんと全長1200m! 巨大鍾乳洞『井倉洞』
次に訪れたのは『井倉峡』! ここは、石灰岩でできた直立240mの峡谷です。高梁川にかかる青い橋を渡ると、全長1200mという地方最大級のスケールを誇る、岡山県指定天然記念物『井倉洞』の入り口があります。
階段を登ったり、細い道を進んだりと探検をしているようなワクワク感も一緒に楽しみながら、神秘的な洞内を撮影しました。
「銀すだれ」「水衣」「くらげ岩」などと名付けられた見ごたえあるスポットがたくさんあり、ライトアップされた奇岩はまるで石のカーテンみたい! さきほどの満奇洞とは、また違う世界観が撮影できました。
鍾乳洞の出口付近には、縁結びの神様の『阿里佐の宮』があり、恋愛のパワースポットなんだそう! しっかりと拝んでから、次の場所へ向かいます!
● information
井倉洞(井倉狭)
岡山県新見市井倉409
http://www.ikurado.jp/
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蕎麦打ち体験
続いてはお待ちかねのランチタイム! 今回は土地の風土を生かしたお蕎麦が楽しめる『そば道場 田舎屋』へ。
このお店のポイントは地元農家で栽培された草間産の玄蕎麦(げんそば)を使い、「挽きたて」「打ちたて」「ゆがきたて」の鮮度と材料にこだわった蕎麦をいただけるというところ。さらに今回はただいただくだけでなく、蕎麦打ちから体験します!
手で生地をこね、麺棒で平たく伸ばして、専用の包丁で均一にカットする、本格的な手順を踏みますが、熟練の職人の店主の手ほどきがあるから初めてでも大丈夫。
丁寧な指導のもと、出来上がった蕎麦は太めや短めなど不揃いですが、それも手作りの証です。
できたての蕎麦はもちろん格別! 自分で作って、味わって。心もお腹も満たされました。
● information
そば道場 田舎屋
岡山県新見市草間8729-2
http://inakayakusama.com/
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偶然が作り上げた、石灰岩の巨大橋
先程の『そば道場 田舎屋』から車で約10分。草間台地にある『羅生門』へ。ここは太古の時代に鍾乳洞が一部を残し陥没した場所で、崩落を免れた高さ40m、幅17mの石灰岩が、巨大なアーチのようにたたずむことからその名が付いたそうです。
羅生門は第一門から第四門までの4つのアーチがあります(現在は第一門までしか入れません)。展望台からその全景を撮影することもできますが、今回は特別にガイドさんの案内のもと、羅生門の真下まで接近することに。
洞口から吹き出す冷たい空気でひんやりしているからか、高山性や北方系のコケや珍しい植物が茂っています。見る角度によってまったく印象が変わるので、どこを切り取っても絵になります。また駐車場から羅生門に続く遊歩道では、7月初旬にはヒメボタルが観賞できるそう!
● information
羅生門
岡山県新見市草間
https://www.city.niimi.okayama.jp/kanko/spot/spot_detail/index/13.html
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日本らしい写真が楽しめる『新見御殿町』を歩く
次に訪れたのは、JR新見駅からほど近い中心部に広がる『新見御殿町』です。なまこ壁が美しいレトロな建物が残るエリア、『新見御殿町』にやってきました。このあたりは今から約320年前、江戸時代に初代新見藩主・関長治によって作られた町です。なまこ壁や虫籠(むしこ)窓、鏝絵(こてえ)など、今では考えられないくらい丁寧で細かいデザインがあちらこちらで見ることができ、まるでタイムスリップしたかのような気分に。
今回は「新見御殿町まち歩きガイド」(3日前までに要予約、無料)を利用して、スポットの内部見学をさせていただきました。古い建造物は、依頼があれば一部見学が可能となっており、そのひとつ『津國屋』は町名主の蔵で、当時の貴重な品がたくさん展示されていました。「ぎやまん」と呼ばれていた江戸時代のガラスや、青備前の徳利などがズラリと並ぶ様子は圧巻です!
この日本ならではの薄暗さを生かすために、手ブレに注意しながら貴重な品々を撮影しました。
『津國屋』の脇を入ると、「三味線横丁」と呼ばれた風情ある小路が。そこに建つ『元料亭 松葉』は、明治から昭和中期にかけて栄えた人気料亭です。2階には当時のお座敷が残り、趣向を凝らしたガラス戸や漆塗りの座卓など、贅を尽くした調度品に彩られた空間が広がっています。
この素敵な空間では、ポートレート(人物)を撮影したり美しい和のデザインを撮影しました。日本らしい素敵な写真が楽しめる、魅力いっぱいのスポットでした。
● information
新見御殿町
岡山県新見市新見
https://machiaruki.gotenmachi.com/
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夜は『伯備』で絶品郷土料理を堪能!
夜ご飯は、昭和初期から続く郷土料理店『伯備』で、アユ、イノシシ、ご当地豚のピオニーポークなど、高梁(たかはし)川に抱かれた奥備中の恵みの数々をいただきました。
「備中お祭り寿司」は、しめ鯖を丸ごと1匹使った姿寿司。海の魚が貴重な山間部・新見地方の家庭料理として親しまれているそうで、中には餅米入りの酢飯がたっぷり入り、見た目も味もお腹も申し分なし!
他にも、ハヤの甘露煮やヤマメのみそ焼きが付く「川魚定食B」、岡山県下最大のダム数を誇る新見の新たなご当地メニュー「ダムカレー」、新見の新名物ピオニーポークを使った「ピオニーポーク丼」や「ピオニーポークジャンボ串カツ」なども味わいました。
他にも、和食だけではなく、洋食や麺類など約200種類ものメニューをいただけるそうですよ!
● information
伯備
岡山県新見市西方469-1
https://www.sabazusi.com/
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思わず没頭!『夢すき公園』で紙すき体験
日本最大級の巨大水車「親子孫水車」がシンボルの『夢すき公園』へ!
園内にある「紙の館」は備中北部で古くから伝わる「奥備中神代和紙」の歴史を知ることができる施設になっているのですが、和紙で作品を作る「紙すき体験」もできるんです。
うちわ(600円)、色紙(500円)、はがき(300円)の3種類の中から、今回はうちわを作ることにしました。まずは専用の木型に紙の和紙の元となる原液をすくい、ゆらゆらと揺らして型に原液を満遍なく行き渡らせます。
余分な水を切ったら次はデコレーション。本物の紅葉の葉っぱを散らし、6色ある絵具で思い思いに色付けをしていきます。
こうして出来上がったうちわは、絶好の被写体になること間違いなし。太陽にかざしたり、水車と絡めたりなど、夏らしい撮影に使えそうなアイテムですね〜!
毎年8月には、「かみさま夢風鈴」という風鈴祭りも開催しているそうです。色とりどりの奥備中神代和紙が揺らめく様子は本当にフォトジェニックとのこと。次回はぜひ撮影してみたいです!
『キッチン神代』でリーズナブルにご当地牛を!
紙すき体験のあとは、同じ敷地にある『いろりカンパニー』の牧場直営レストラン『キッチン神代』でランチ。店内はウッド調で、窓から見えるグリーンが写真映えします。
このお店に訪れた理由は、牧場オリジナルブランドの黒毛和牛「千屋花見牛」を使った肉料理をいただけるから! 新見市には「千屋牛」という日本最古のつる牛の1つと言われている希少なブランド牛が特産品としてあり、「千屋牛」の定義の1つには、出産を経験していない「未経産牛」という条件があります。「千屋花見牛」は出産を経験した母牛ですが、『いろりカンパニー』ではそんな母牛も最後まで大切に育てたいという想いで、放牧でたっぷり愛情を込めて飼育しているんです。
色々なメニューがありましたが、今回はローストビーフ丼(1,530円 税込)をチョイスしました!
食べてみると、お味は見た目以上に美味!「千屋花見牛」は初めていただきましたが、本当に肉質が良く旨味が濃厚で驚きます。
美味しい牧草を食べ、牧場を自由に走り回って育っているから、赤身の旨味が際立っているそうですよ。贅沢なブランド和牛がリーズナブルにいただけるのも、地元ならではです。
● information
夢すき公園(親子孫水車) 紙の館/キッチン神代
岡山県新見市神郷下神代1977-1
http://niimi.gr.jp/spot/spot_detail/index/4.html
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リフレクションが映える! 超絶景の湿原『鯉が窪湿原』
お腹いっぱいになったので、少し身体を動かさなきゃ! ということで訪れたのは、西の尾瀬とも呼ばれている『鯉が窪湿原』。ここは見ての通り絶景が楽しめる絶好の写真スポットです!
鯉が泳ぐ『鯉が窪池』を囲むように遊歩道が整っていて、四季折々の風景を楽しめます。
300種類を超える植物が自生している敷地はものすごく広大! 水面に反射する「リフレクション」写真も撮影することもできました。爽やかな風を受けながら、散策と撮影の両方を楽しめるなんて一石二鳥です。
鯉が窪湿原に来たら併せて寄りたいと思っていた、『道の駅 鯉が窪』にも訪れました。
お目当ては、地元でしか採れない哲西栗を使ったマロンソフトクリーム(3~11月限定)! これが本当に本当に美味しいので…!! ぜひ一緒に立ち寄って見てください。
売店には、ピオーネや千屋牛、ワインなど、A級グルメ新見ならではの特産品がズラリと並び、おみやげ探しにも◎
● information
鯉が窪湿原
岡山県新見市哲西町矢田
https://www.city.niimi.okayama.jp/kanko/spot/spot_detail/index/12.html
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道の駅 鯉が窪
岡山県新見市哲西町矢田3585-1
https://koigakubo.jp/
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『神郷温泉』で、絶品「千屋牛」会席料理!
2泊目のお宿は、高瀬川ダム湖畔の一角にある『神郷温泉』という温泉宿! お宿自体も素敵なのですが、ここに来たら味わいたいと思っていたグルメがあるんです。
それがこちら!
岡山県以外ではなかなか食べることのできない「幻の和牛」とも呼ばれている「千屋牛」。お昼は「千屋花見牛」のローストビーフでしたが、夜はまたまた贅沢な「千屋牛」の『ロースステーキ』をチョイス。他にも、『しゃぶしゃぶ』や『すき焼き』もありました。
その場でジュージューと焼いて食べる千屋牛はもう絶品としか言いようがありません…!! ジューシーで柔らかな肉質、噛めば噛むほどあふれる旨味…。
他にもお米やお魚など、どれもこれもが美味しい! 「岡山で美味しいものを贅沢に堪能したい!」そんな方には絶対におすすめできるお宿です。
● information
神郷温泉
岡山県新見市神郷高瀬3188-1
https://shingo-onsen.com/
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サイクリングで『鳴滝』
3日目は、『別所アウトドアスポーツセンター』で自転車を借りて、撮影ポイント『鳴滝』を目指してプチサイクリングへと出発!
道中に広がるのどかな里山の風景を眺めながら自転車を漕いで行きます。いい風景があったら停まって撮影を楽しみました。サイクリングだと道中も撮影できるのがいいところですね! 自転車をこぐこと約20分で入口に到着。そこから渓流沿いを10分ほど進むと、今回のお目当ての鳴滝が見えてきました。
この滝の魅力は、滝の近くまで行くことができるところ!
だからこその迫力ある一枚が撮れるんです。
スローシャッターというシャッタースピードを遅くして撮影する技法で、滝の流れを意識した写真も撮影できました。滝ひとつでも様々な撮り方があるのが面白いですね。滝のおかげで涼しく、夏の暑さを気にせず撮影に没頭できるのも嬉しいポイントです!
鳴滝のすぐ隣には、明治時代に造られた『七曲がり』と呼ばれる、石積みのつづら折り林道もあるんです。この時期は緑が眩しい夏らしい風景が撮れましたが、秋の紅葉の時期はまた違った色や姿が楽しめそうですね!
この旅の中でも最高の1枚が撮影できました!
● information
鳴滝・七曲がり
岡山県新見市菅生別所
https://www.city.niimi.okayama.jp/kanko/spot/spot_detail/index/18.html
https://www.bichu-okayama.jp/spot/000254/
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『別所アウトドアセンター』で地元食材BBQ!
自転車を借りた場所『別所アウトドアセンター』では、BBQも楽しめるんです。 屋根付きなので雨の時でも気にせずBBQができるのは嬉しいですね。
こちらは炭(1kg440円)の販売や網(貸し出し110円)の貸し出しはありますが、食材は持ち込みスタイル。私たち実は、道の駅やJAで事前に調達しておきました! 新鮮な野菜のほか、ここでもやっぱり「千屋牛」をいただきますよ〜!
シンプルに炭火で焼く千屋牛のおいしさは、それはもう最高です…!
買ってよかったものの一つがこちらの、「金山の焼肉のタレ」。地元で愛され続けている焼肉のタレで、お肉の旨みを際立たせてくれました。お土産にもう1本買えばよかったなと思ったほど。地元のスーパーなどでよく売られていますので、気軽に入手できますよ!
● information
別所アウトドアセンター
岡山県新見市菅生7189
http://www.s-kanzai.com/bessho/
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『カフェまなびの森』でスイーツタイム!
今回の旅でまだやっていない体験…それは『新見市のスイーツ』をカフェでゆっくりとたのしむということ! 訪れたのは、2017年に誕生した『新見市立中央図書館』に併設されている『カフェまなびの森』。
こちらで味わえるのは、新見産の野菜をたっぷり使ったランチや、手作りケーキやパフェなどのスイーツ! 幅広い年齢層の方が訪れるから、全体的にやさしい味付けにしているそうです。今回は、見た目も味も◎なスイーツ&ドリンクをオーダーしました。
素敵な空間でいただく美味しいスイーツ…。女子旅には欠かせない時間でした!
● information
カフェまなびの森
岡山県新見市新見123-2 新見市立中央図書館2F
http://cafemanabinomori.com/
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駅前で、新見市のお土産探し!
最後は新見のおみやげ探し! JR新見駅前の『新見市観光案内所』へ。
千屋牛を使ったレトルトカレー、紅茶、新見産ワイン、ジビエなど、地元の美味しい特産品がいろいろ揃っています。食が美味しい地域だから、やっぱりお土産も秀逸なものばかり。
新見市のマスコットキャラクター「にーみん」(ピオーネから生まれた千屋牛の子供なんだそう)のグッズも発見! ぶどうと牛の融合なんて、斬新ですよね(笑)愛くるしい表情が可愛いです。
にーみんをプリントしたマンホールもありました。記念にみんなで撮影!
にーみんマンホールのバリエーションは計6種類。新見市を巡りながら、コンプリートを目指すのも楽しそうですね。
● information
新見市観光案内所(特産物販売所)
岡山県新見市西方472-10
http://niimi.gr.jp/spot/spot_detail/index/115.html
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お肉に絶景に大自然に…! 新見市の旅は、女子旅で体験したい『すべて』を凝縮したかのような旅でした。混雑していないのも、これからの時代においてはいいところ! 2泊3日の旅を、ゆったりと快適に楽しめました。定番スポットもいいけど、時にはこうした『まだ知られていないスポット』をめぐるのもおすすめです。特に、新見市は食の美味しさは岡山随一です。
岡山県近郊の方も、そうでない方もぜひ訪れて見て欲しい旅先の一つでした。