島根県津和野町・吉賀町の和の絶景を巡る旅
今回ご紹介する旅先は、島根県の津和野町と吉賀町。
まずは羽田空港から、益田市にある萩・石見(はぎ・いわみ)空港へ。そこから車で津和野町・吉賀町の「歴史と美しい里山の風景」を味わう旅をしてきました!
津和野は山陰の小京都と呼ばれ、町の中心部にある殿町通りは城下町時代の古い佇まいを今に残す場所。残された古い建物の中にはカトリック教会もあるのですが、それは隠れキリシタンが長崎から津和野に送られてきたことに由来します。
そして吉賀は有機の里として、健康に気を遣う人や有機農業を目指す人に知られた、美しい田畑の風景が見られる町。
このふたつの町で、歴史あるものに新しいエッセンスを加えた「もの」や「こと」にたくさん出会いました! 今回の旅で撮影した写真や、フォトスポットを一挙にご紹介いたします! ぜひ旅の参考に。
目次
美しい「日本の秋」を堪能できる場所
津和野で紅葉を楽しむなら『旧堀氏庭園』をオススメします!
ここは笹ヶ谷銅山で財を成した堀氏の名園です。書院造りの客殿「楽山荘」の2階から眺める真っ赤に染まった楽山荘庭園は、息をのむほどの絶景! 暗い室内から見る庭園はまるで一枚の名画のよう。
「池泉回遊式庭園」には滝や雪見灯籠などがあり、庭園の中央には樹齢300年の楓の古木がそびえ、新緑や紅葉の時期は特に美しさを誇ります。
逆光で光る紅葉を撮ったり、赤い色を綺麗に出すように撮ってみたり…いろんな撮り方を試行錯誤して楽しみました。
もちろん日本庭園は「四季の風景」を愛でることができるように作られているので、他の季節に訪れても満足できますよ。
また、この庭は高低差のある地形を活かすため、銅山の坑口から引いた水を2段の滝として利用しています。滝の水音が心地よく、聴覚からも庭園を楽しめるようになっています。
ちなみに紅葉の見頃は毎年10月下旬〜11月中旬ごろだそうです。
メンバーが撮影した写真がこちら!
美味しい野菜で、身体の中から健康に
ランチは旧堀氏庭園からすぐ近くにある『糧』へ。
ここは「医食同源」をテーマにしたお店で、複合施設「医食の学び舎 旧畑迫病院内」にあります。
地元で採れた旬の食材を使い、旧暦の二十四節気を意識したメニューがいただけます。朝採れの野菜をふんだんに使った食事はとっても食べ応えがあり、野菜の味や旨味をしっかり感じることができます。
ずらりと並んだ料理は20種類程度あり、全部いただこうと思うと、量を少しずつにしてもプレートが山盛りになってしまうほど!
他にも店内には調味料などの量り売りや、オーナーさんがセレクトした本の販売も。購入した本を手にゆったりと読書も楽しめそうです。
同じ建物には畑迫病院の展示室があって、当時の病院の様子を見ることができます。旧堀氏庭園・旧畑迫病院の共通入場券もあるのでセットで訪れるのがオススメ。
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青い空と朱塗りの対比が美しい「稲成」神社
日本五大稲荷のひとつに数えられる『太皷谷稲成神社』、「太皷谷」は、江戸時代にここに存在した三本松城の、登城下城の時刻を知らせる太鼓(太皷)櫓があったことから名付けられたそうです。
そして「稲荷」ではなく「稲成」と書かれているのに気づきましたか? 「願望成就」の「成」からとったからなんです。
車でも神社の側まで登ることができますが、約1,000本もの朱塗りの鳥居続く参道を歩きながら登るのがオススメです。登りきった先の境内から望む津和野の町並みはまるで箱庭のようで、津和野川やSLが走る山口線の線路、赤味を帯びたオレンジ色の屋根を眺めていると時間を忘れそうです。
お参りをしたら、狐の面のような絵馬にお願い事を書いて奉納してみてくださいね。絵馬は最後に好みの目を書き入れて完成です!
太皷谷稲成神社の年間の参拝者は県内の神社では出雲大社に次ぐ第2位で、フォトスポット的にもぜひおさえておきたい場所です。
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自分だけの「カラダ思い」のお茶作り体験
『香味園 上領茶舗』は津和野の人々に愛されてきた、津和野の銘茶『ざら茶』を販売するお茶屋さんです。
地元以外の方は「ざら茶って…?」と思うかも知れませんね。ざら茶の材料は「カワラケツメイ」というマメ科の一年草で、薬草茶として古くから飲まれ、地域により「マメ茶」「ハマ茶」「さんぺんず」などと呼ばれています。
ざら茶は、かどの無い素朴な優しい味わいと、マメ科らしい何ともいえない香ばしさが特徴のお茶で、ノンカフェインなので家族の常用茶としてもオススメです。
こちらでは「オリジナルのお茶づくり」の体験をしてきましたよ!
「世界にひとつ、自分だけの<#MYCHA>で作るお茶時間」ということで、BASE、2nd、Arrange、の3つのカテゴリから好みのお茶やハーブなどを組み合わせて作ります。
目指すゴールの選び方はいろいろで「食事(和食・洋食)に合うもの」だったり「リラックスしたい」「身体をあっためたい」など、自分の好きなものを作れます。もちろんお店の方にアドバイスいただけるので、組み合わせに悩んでしまっても安心です。
私たちはせっかくなので、ベースは津和野の銘茶であるざら茶で作りました。「その土地ならでは」+「自分だけのもの」のお土産が作れるっていいですよね。
飲むたびに津和野を思い出す、そんな「時間」がお土産になりました。
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職人技 × デザイン「ここだけ」のものが欲しいなら
『俵種苗店 SHIKINOKA -シキノカー』は津和野町産のお茶と鉄くずを混ぜた染料を使った染め物、地域の職人と共同で手掛けた陶器や木の器などを販売しているお店。
「種苗店」の名の通り、種や苗も販売しています。この変わった店名ですが、明治前期に『俵農機具商会』として創業したお店を、長女の俵 志保さんが新しい発想で運営しているからなんです。
大学で学んだ染織技術を生かし自ら染め上げたストールのほか、俵さんがデザインし、職人に依頼した石見焼の陶器や木の器、金属トレーなど「ここでしか買えない」商品が並んでいます。
そんなこだわりの逸品だけでなく、店内では量り売りの食料品や洗剤、野菜の種などの販売もされていて、地域の人が普段使いにも利用できるお店になっているのがいいですよね。
こちらではお土産にガラスの花瓶を購入しました。
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俵種苗店 SHIKINOKA ーシキノカー
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食べてみないとわからない、初めての食感!
津和野銘菓が食べたいなら『三松堂』へ。
ここで有名なのはあんこを巻いた『源氏巻』と、秘伝の羊羹『こいの里』です。源氏巻は北海道十勝の雅、こいの里は岡山の赤小豆と使い分けているこだわりが。
こいの里は羊羹なのに「サクッとした歯ざわり」を楽しめるとても珍しいお菓子です。材料は練り羊羹と一緒なのに、独自の製法で作られているので食感が全然違います。この新食感は絶対食べてみて欲しいです!! 11人いる職人さんの中で、たった一人しか作り方を知らないそうです。
創業者の『お客様に、ひとときの幸せを提供する』という言葉を守っているお店は、観光客のお土産だけではなく、地元の方にも日常的に愛されているお店でした。
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和菓子処 三松堂
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冷えた身体をじんわりあっためる温泉宿
津和野から山を越え、吉賀町まで車を走らせました。今晩のお宿は道の駅に併設された『むかいち温泉 ゆ・ら・ら』。
毎分1トン! という豊富な湧出量の源泉100%かけ流し温泉は、さらっとしたお湯が特徴で、神経痛、関節痛、冷え性に効果があるそうです。源泉風呂は加熱されておらず、自然の恵みそのままのお湯を楽しむことができます。しかも温泉プールもあって(今は休止中)向かいの窓から見えるその様子に気になりました。
ちなみに、朝も夜もご飯のボリュームがすごい!全部食べるとかなりお腹いっぱいになりました(笑)
施設の横には何気ない感じで、吉賀出身の彫刻家・澄川喜一 記念公園「彫刻の道」がありました。記念撮影スポットにいいかも知れません。
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ペットボトルでピザ作り体験!? チーズも作っちゃいました
ピザづくり体験をしに『山吹グリーンファーム』にやってきました!
ここは自家製アイスクリーム、古代米うどん、古代米入り5色もち等を販売していて、土日祝日はランチができる『やまぶき』で、地元の食材を使った料理や、自家飼育ジャージー牛のしぼりたてミルクやアイスクリームを提供しています。
今回トライしたピザ作りは、ペットボトルを使うという一風変わったもの。粉から生地を作るのですが、ペットボトルを使うので全然汚れない…!生地を発酵させるのに使うのは人肌(笑)というのも斬新でした。しかもピザに乗せるモッツァレラチーズも自分で作っちゃうんです! 山吹グリーンファームで育てているジャージー牛からしぼりたてのミルクで作るチーズ、美味しくないわけがない!!
焼けたピザは隣のログハウスのテラスでいただきました。ピザのお供にはしぼりたてのミルクを合わせてみたのですが、とっても美味しかったです。
※ピザ作り体験は1週間前までに予約が必要です
参加は4人以上から、3時間程度でお一人2,700円(詳細はHPでご確認ください)
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まだあまり知られていない、秘境の滝を探しに
ふらりと訪れる観光客だと訪れることが難しいかも知れない、『平栃(ひらとち)の滝』に行ってきました。
平栃の滝は高津川の支流「平栃谷」にある滝群で、「小魚切りの滝」「大魚切りの滝」「水呑み滝」「いろは滝」「源兵衛滝」と五つの滝の総称です。
一番大きい大魚切りの滝の落差は22メートルで、その飛瀑は大迫力! 渇水時には柔らかく水が落ちる、優雅な様子が見られますが、山里特有の夕立に合うと荒々しい男滝に変わります。
整備された遊歩道を利用して散策ができますが、足元は歩きやすい靴で訪れるのがベストです。森に囲まれた散策道ではしっとりとした空気とともに森林浴が満喫できます。
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平栃の滝
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美味しいヴィーガンスイーツでティーブレイク
森林浴でリフレッシュしたあとは、身体に優しいスイーツを食べに『Slow Cafe MIZUTOKI』へ。
こちらはお山の湧き水と有機野菜を使い、お肉・お魚・卵・乳製品・白砂糖や化学調味料などは不使用の、身体に優しいごはんとおやつのお店です。
ヴィーガンスイーツは味が少し物足りないかな…? という印象があったりしますが、こちらのスイーツはそんなことは全然ありません! 甘みはしっかりあって「美味しさ」の面でも大満足です。
店内はテーブル席、座敷席もあってゆったりくつろぐことができます。オーナーさんに小さいお子さんがいるからか、子どもを遊ばせることのできるスペースもありました! ここもきっと地元の人に愛されてるお店なんだろうな…と思いました。
窓際には観葉植物が並び、さながら植物園の温室のよう。優しい光に照らされた植物たちを何枚も撮ってしまいました。
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Slow Cafe MIZUTOKI
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一泊二日でふたつの町を巡ってみたら、どちらも古くて歴史あるものと、新しいものが「ほどよく組み合わさっている」場所だなと思いました。
懐かしい風景に、今のデザインや、今の暮らしに合うものがしっかり溶け込んでいました。ここにはちゃんと暮らしがあって、そしてそこにある「歴史」を見に、いろいろな場所から人が訪れる。そんな瞬間を垣間見ることができて、もっともっとこの場所を知りたいと思うようになりました。
ぜひ、みなさんもそんな「暮らしとともにある風景」を見に、津和野町・吉賀町を訪れてみてくださいね。