空気までも写す? オールドレンズ『Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』 レビュー
おうちの中や日常的な風景でも、魅力的な写真を撮影したい。
最近はおうち時間が長くなったこともあり、そんな風に思われている方も少なくないのではないでしょうか。私も家の中で過ごす時間がとても長くなり、「そろそろカメラを触りたいな」と思って、先日、家の中や周辺を撮影をしました。
そして今回オススメしたいのは、あるオールドレンズ。このレンズと出会ってからは、そんな ”日常のありふれた風景” さえも、とても素敵に撮影できるようになりました。
それがこの『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』というオールドレンズです。
目次
『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4 』とは
まずは『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』の基礎知識をご紹介します。こちら、35mmのフィルムカメラ用に製造されたオールドレンズで、いまだに根強いファンがいるレンズなんです。
CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4 には、AEG,AEJ,MMG,MMJという規格があり、AEは初期型、MMは後期型、Gはドイツ製、Jは日本製、という意味です。つまり、MMJ=後期型の日本製 という意味になります。
私はこのMMJを購入しました。決定的な理由は、AEは絞り羽根が手裏剣型をしており、玉ボケが ”手裏剣ボケ” になるのがちょっといやだなぁという理由です。MMの場合は六角形をしています。
ちなみにコンタックスのフィルムカメラ用のレンズなので、マウントアダプターを介さないとデジタルカメラでは使用できません。私が使用しているのは、『K&F Concept レンズマウントアダプター KF-CYE』。ヤシカ・コンタックスマウントレンズ → ソニーEマウントに変換することができるマウントアダプターになります。
それでは、実際に撮影した作例をご紹介します。
空気までも写すと言われる『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』の実力
窓から見えた風景。雪が美しいなと思って撮影しました。
ウッドデッキが冷たそう。
道ゆく人の傘に降り積もった雪を撮影。 手前に降ってきた雪が臨場感を出してくれました。
寒そうな空気感が伝わるでしょうか…。
猫をベランダに出してみたら珍しい雪に見入っている様子でした。猫か風景かにピントを合わせると微妙な感じになってしまったので、あえてどこにもピントを合わせずにアンニュイな雰囲気を出しました。
空気までも写すと言われる『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』。雪の日の写真では寒くてしっとりとした、そんな空気をこのレンズは引き出してくれているような気がします。伝わるでしょうか…?
CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4で、ありふれた日常を撮ってみる
続いて、夕暮れ時になんの変哲もない洗濯バサミを撮影しました。遠くに見えている街灯の光が六角形になっているのは、レンズの絞りの形が影響しています。
窓から少しだけ見えるいつもの風景。
洗濯バサミに特別な愛情を持っているわけではありませんが、おしゃれな部屋や美しい風景じゃなくてもそれっぽい写真に見えませんか?(笑)ちなみにこちらの写真は歪み補正を忘れてしまったのですが、見ての通り結構歪みます。
クセのないボケと解像感
前ボケ・後ボケ、どちらもうっとりするような美しさ。滑らかで癖のないボケに毎回ため息が出てしまいます(笑)。かといって解像していないわけでもなく、ピントが合っている部分にはF1.4で撮影したにもかかわらず、しっかりと芯が残っています。
『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』で日常を美しく魅せる
家の中やご近所など、いつも見ているなんでもない風景さえも美しく描写してくれる『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』。日常を撮影するのには、おすすめのレンズです! 最近のデジタルレンズに比べるとお安く手に入れることができちゃうのも嬉しいところ。
本当は教えたくないレンズですが(とはいえ有名ですが…)、神レンズとも呼ばれる『CONTAX Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4』を迎えて、日常を美しく切り撮ってみませんか?
編集部/イワサキトモミ(Instagram)