大失敗?!新発売の35mmフィルム「LomoChrome Color ’92 Sun-kissed」レビュー
camellを運営している、田中海月(たなか みづき)です。あだ名はくらげそんちょー・略して、くらそんです。
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今回は、新しく発売された35mmフィルム「LomoChrome Color ’92 Sun-kissed」のレビューを書いてみます! このフィルム、なかなかに癖が強いぞ….!?!?
目次
LomoChrome Color ’92 Sun-kissed
Sun-kissed(サンキッス..ド?)という可愛らしい名前のこの35mmフィルムは、Lomographyから発売されたもの。オフィシャルサイトで書かれていた特徴は、 “暖かみのある暖色系の発色” が特徴とのこと。
公式サイトを見ると、とても素敵な作例が載っていたので購入を決めました。
ISO400で、価格は1980円
価格は36枚撮影で、1,980円なので、kodakのフィルムは大体が2000円ごえになってきているので、少々お安くゲットできるのはいいですよね。ISOも400で、朝〜日中などは手ブレなく撮影できるので扱いやすいです。個人的にはISOは400が一番好き。公式サイトだとまとめ買いをすると送料が無料なので、私は公式サイトでまとめ買いしました。
DXコードがついてないのは、ちょっと痛い…
DXコードとは、入れているフィルムの感度をフィルムカメラが自動で感度や枚数情報などを読み取ってくれるコードです。(このバーコードみたいなやつ)
り、シャッタースピードを手動で設定するフルマニュアルのカメラは問題ないのですが、絞り優先などオート機能がついている新しいフィルムカメラでは、ISO感度が認識されず、ISO100として扱われるらしいので注意です。
でも、実際にどうなんだろう、オート機能があるカメラだとやっぱり写り微妙なのかな…? と気になったので、やってみました(笑)私はこのLomoChrome Color ’92 Sun-kissedを、FUJIFILMのklasseに入れて使ってみました。どうなることやら…?
Sun-kissedの作例
現像が上がってきて、もう、衝撃!
「こんなオレンジになるの?笑」
と、びっくりしちゃいました。私が現像屋さんへのオーダーで、”フィルムの特徴仕上げ” を選択したからかなと思いますが、とにかくオレンジ色! まずは上がってきた写真をそのまま掲載してみます。
写真にオレンジジュースでもぶっかけたかのような極上のオレンジ。真っ青な北海道の海すらもオレンジ色に染まっています。ちなみに同時に現像したkodak GOLDはこんな感じ。
こっちは色味、いいぞ…。
やっぱりオレンジジュースになっているのは、このフィルムだからなのだと理解。
やっぱり現像のオーダーは細かく色味とかを伝えた方がいいかなと思います。青や緑が綺麗に出る写真が好きなので、そういうオーダーで現像したらまた違う印象だったかもしれません。反省。
DXコードがついていないことによって、明るさはどうなるかな?と思いましたが、そんなには気にならなかったです。でも、光が強い写真はちょっと仕上がりが良くない。このあたりは明るさの問題だろうか…。
もっと綺麗に写ってて欲しかったなあ…。というのがちょっと本音。
データをレタッチ
でも、諦めません(笑)レタッチをすればもう少しまともなカラーになってくれるはず…!!ということでレタッチです。ちなみに写真データは少々お高くても大きなサイズでデータ化してもらうことがおすすめです。なぜならレタッチして色味を救えることもあるし、大きいデータなら、データからプリントしても綺麗なんです(ネガから印刷するのと、あんまり変わらないと店の人が教えてくれました)
レタッチはホワイトバランスやカラーホイールをいじって色味だけちょっと調整しました。
▼BEFORE
▼AFTER
いいじゃん!レタッチでここまで色味って救えるもんなんだなあ…。理想的な色味になってくれました。
▼BEFORE
▼AFTER
いいですね。ちゃんと色味が蘇り、当時の記憶も同時に蘇ります。
▼BEFORE
▼AFTER
レタッチするとくすんだ海が見事にブルーを取り戻しました。ポートレートはどうだろう…?
▼BEFORE
▼AFTER
人の肌の色が綺麗に出るフィルム、と記載があったので期待しましたが、個人的にはうーん…という結果に。私のレタッチ技術では、肌の色が綺麗だな、とまではいかなかったです。
▼BEFORE
▼AFTER
光が強い海の写真は、見事に汚く仕上がりました(笑)これはどう頑張っても無理だった…。
しかし粒子感が強く、ノスタルジックな描写に合うフィルムというのはわかります。portraのようなキメ細かいフィルムとは真逆の、荒さを楽しむフィルムという感じ。同じカメラで撮影した写真↓と比較すると、その特徴がより鮮明にわかります。
(比較用・PORTRA400)
(比較用・PORTRA400)
この辺りはお好みだと思いますが、ざらついた粒子を生かした撮影なんかができると、より面白く使えそうですね!
新しいフィルムほど、公式サイトなどのサンプルを添付するべきかも
今回の大きな反省は、フィルム現像時にちゃんと希望を伝えなかったこと(悲)公式サイトにはとても素敵な作例が載っているので、それを印刷して添付するとか、とにかく新しくて癖強いフィルムは具体的な仕上がりの希望イメージを伝えた方が、間違いなく良いと思います。
またKLASSEとの相性が悪い可能性もあるので、CONTAX ARIAなどレンズ交換式のフィルムカメラで撮影してみたらまた違う印象になるのかも…?
まだまだ使いこなす腕は私にはなかったようなので、もっと精進して、このフィルムを使いこなせるよう頑張りたいです!