MARIX400Dフィルムをカメラに詰めて、早稲田〜新宿を撮り歩いてみた。
フィルムの種類がどんどん減り値段も高騰してきて、フィルムユーザーは以前より気軽に写真が撮れなくなってきててしまいました。でも、最近少しずつではありますが小さなメーカーがフィルムを生産してくれるように…!嬉しいですよね!せっかく増えたフィルムの種類をまた減らさないよう、しっかり撮影していかねばと思います。
さて今回は、camelltownの仲間とフィルムフォトウォークをした際に初めて使った、「MARIX400D」の率直な感想をお伝えしたいと思います。
MARIX400D
「Kodak Vision3」という、映画用のフィルムのカーボン層を除去加工して、一般的なカラー現像処理「C-41」現像を可能にしたシネマフィルムです。逆光や蛍光灯など強い光の部分は赤く滲むのが特徴で、フィルムエンドもスプール差し込みで加工してあるので安心です。
<注意事項>
シネマフィルムはカーボン層を除去している関係で感光しやすく、特に裏蓋に確認窓があるカメラで使用すると光線被りが発生することがあるので注意が必要です。カーボン除去をすると「静電気防止層」も一緒に剥がれてしまい静電気に弱くなるので、巻き上げ、巻き取り動作はゆっくりの方が良いとも。またDXコードは非対応なので、自分でISO感度の設定が必要になりますので要注意。(MARIXで販売されているシールを貼って対応することもできます)
※新しいものはDXコードつきという話も聞きましたので、事前にパッケージを確認してみてください
プリントは今回新宿北村写真機店さんでお願いしました。撮ったものを当日現像できて、その日のうちに見せ合いっこできるのはいまや「貴重」なんですよね。(スピード現像よ、なくならないで)
さて、フィルムフォトウォークのスタートは大塚駅から。ここから東京さくらトラム(都電荒川線)に乗って、のんびり早稲田大学へ向かいます。
MARIX400Dフィルムの一コマ目、前情報通り強い光で赤にじみが発生しています。ISO400の割には若干粒状感を感じる気がします。
レンズゴースト(※光の点のようなもの)や、光が葉に当たって反射したものが赤く滲んでいます。
演劇博物館の円柱(エンタシス)に強く当たる光のフチや、お店の壁に下がっていたイルミネーションライトの光源の周りに赤いにじみが発生。400Dはタングステンフィルムと比べると暖色寄りになるとのことですが、ややマゼンタを強く感じるな…という印象で、日陰もブルー(マゼンタ含む)みが強い気がします。彩度も「やや低め」という感じでしょうか。
ただ順光の空は、かつての「コダックブルー」を思い出すような濃くて深い青の発色をしてくれました。
コダックブルー
Kodakが販売していたリバーサルフィルム「Kodachrome(コダクローム)」の青に似た発色をするという、KodakのCCDを搭載しているデジタルカメラ(主にOLYMPUS機)の青を指す言葉。
この「青」を欲しさに、CCD搭載のOLYMPUS機を買う人も!
1本だけ、しかも日中の光のある時間帯の撮影だけなので正確なレビューとはなりませんが、多少のクセはあるものの、価格的にも感度的にも使いやすいフィルムだと思いました。あえて特性を強調させて撮るのもよさそうです。
なにせMARIX400Dは36枚撮りで2,250円、Kodak UltraMAX400と同じくらいの価格で、PORTRA400の半分くらいの価格(!)でKodak系(…とカウントしてもいいですかね)のフィルムとしてはお手頃な価格です。しかも感度も100D、400D、800Tと種類も豊富!! ISO800が2,250円という破格で手にいれることができます!(ただし、800Tは「T」=「タングステン」フィルムで白熱電球光源に合うように色温度が調整されており、日中に撮ると青みが強くなります)
あと、100Dだけはシネフィルムベースではなく、航空写真用のフィルムがベースなので400Dのような光に対する赤い色にじみはないようです。ただ感光しやすさは変わらないようなので、頭の5枚程度は感光の可能性を考えておいた方がよさそうです。(マゼンタが乗りやすいのも同じよう…)
最近はずっとブローニーを使っていたのですが、ちょっとクセはあるけど気軽に使えるので35mmもまた積極的に撮って行こうかなと思いました。フィルムに興味のある方は、お手頃なフィルムを併用しつつ、たくさんいろんなフィルムを経験していってもらえればな、と思います。